株式会社ディスカバリープロジェクト代表の西田です。
当社は今年で早5年目を迎えることができました。
平素よりご支援をいただいている多くの皆様に改めて心より感謝申し上げます。
年頭にあたりまして、改めて当社のビジョンや想いを共有させて頂きたく思います。
当社は3つのビジョンを基本理念としています。
1.田舎を発見する(Discover )
2.地域課題✖︎ビジネス✖︎新しい福祉(Solution)
3.関わる全ての人々のライフスタイル向上を目指す(Lifestyle)
コロナ禍で益々『田舎の魅力』が見直され、田舎での暮らし方、働き方に関心が高まりつつあります。私自身も大阪市内から風光明媚な猪名川町へ移住し8年が経ちますが、改めて自然の中で暮らす豊かさを感じています。都会からの移住組だから分かる田舎の価値があり、この町は宝の山だと思うことも多いです。
しかしながら「田舎に移住したい」と思ってもなかなか踏み切れないのが現状ではないでしょうか。いざ田舎へ移住しようとしたとき、その地域で働く場所を獲得する事が一つの大きな壁となっています。
当社では都会の人々が何を求めているかにフォーカスしながら、田舎の魅力を発見(Discover)し、様々なビジネスを構築し、多種多様な人々が活躍出来るステージを田舎にデザインしています。地域と関わりあい、自然を感じながら働くことで、この豊かさをより深く実感してもらいたいと願っています。
猪名川町も休耕地問題という地域課題を抱えています。農家の高齢化が進み、次世代への継承が進まず、耕作が途切れてしまう傾向にあります。このまま休耕地が増え続けると景観が損なわれるだけでなく、この町の豊かな生態系に影響を及ぼしかねません。
当社では4年前から休耕地を有機ニンニク農場へと転換する事業を推し進めています。2反(田んぼ2面分)からスタートし、現在は猪名川町(兵庫)、能勢町(大阪)の約2㌶(甲子園球場2面分)を管理運営するまでになりました。
自社で栽培するだけでなく、加工、デザイン、販売を一環した6次産業にも取り組んでいます。また地域の景観再生の目的で、休耕地をコスモスや向日葵畑に生まれ変わらせるプロジェクトも始動しました。地域の方々にも大変好評です。さらに来年度には、田舎カフェをオープンする予定で、コスモス畑の中で美味しい珈琲を楽しんで頂くことを計画しています。
事業を進める上で、地域の方々に喜んで頂く事はとても大切なことです。
残念ながら、障がい者、特に精神疾患者に対する偏見が、いまだ社会に存在するのは事実です。しかし地域の方とふれあい、実際に恩恵を受けて頂く事で、そのような偏見も和らぎ、よき理解者になってくださると私たちは考えています。
時にはあまり良いコンディションでは無いと思えるような休耕地(手間が掛かる)も受け入れさせて頂く事もあります。休耕地に対する取組みと並行して、数年後には害獣問題と真正面から向き合うビジネスもスタートする予定です。これからも、地域課題とビジネスを組み立て、行きづらさを持つ人々、田舎に関心がある人々、多種多様な人々の働くステージをデザインして参ります。
自らの価値観によって、多様なライフスタイルの選択が可能な社会の実現が求められる時代です。経済活動の成果として得られる豊かさを享受し、安心で充実した日常の暮らしを実現することは、生きる上で当然の権利です。ところが障がい者となるとライフスタイルの『ラ』も言えないのです。
福祉サービスにおいて「この地域ではこの事業所とこの事業所しか無いので、ここに行きなさい」と言わんばかりなのが現状です。利用者自らが、自分の意思に基づきサービスを選択できるのが本来あるべき形なのに、その選択肢すらない場合が多いと私は感じています。
例えば私たちが外食に行こうとしたとき、数あるお店の中から、そのとき食べたい料理に合わせてお店を選ぶことができます。ラーメンが食べたいとなれば、醤油系、味噌系、豚骨系…様々な選択肢の中から選ぶことができる。もしお店に入って、「今日は醤油ラーメンだけです。」と言われたら、どうでしょう。あるいは「今日はラーメンないので、お茶漬けで我慢してください」と言われたら、それはおかしい、と抗議したくなるはずです。
この当たり前の選択権が与えられていないのが日本の福祉の現状のような気がします。
給付金(税金)だけに頼る運営が、多様なニーズに応えられない原因のひとつだと考えています。
当社が給付金以外の収益化(儲かる農業等)を進めるのは、給付金以外のお財布を持つ事で、福祉サービスの質を向上させたいという目的があるから。
従業員やサービス利用される方々の待遇が改善されることで、はじめて理想のライフスタイルを目指す事が出来ます。
これらの三つの基本理念の上で、当社ではCSR の基本方針を「行きづらさを持つ人々が陽の当たるステージを獲得する事」としております。
最後に、
どんな生きづらさがあっても親密な人間関係と自立出来る程の働く機会が与えられば回復していく事だと信じています。
2022年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
株式会社ディスカバリープロジェクト
代表取締役 西田明光