ディスカバリークルー紹介
ディスカバリークルー紹介

—— いまディスカバリーで、どのような仕事をしているか、教えてください。

小学校高学年から中高校生を対象とした放課後等デイサービス(ディスカバリースタジオ)の責任者をさせていただいています。具体的な仕事の内容としては、自閉症やADHDのお子さんと向き合いながら、様々な特性があっても日常生活に困らないようなプログラムに取り組んでいます。

主なものとしてはソーシャルスキルトレーニング(SST)というものがあり、コミュニケーションを苦手とするお子さんに対して、人との関係をうまく築くための練習を行なっています。それ以外には、お子さんが潜在的に持っている可能性を広げようということで、PCを使ったプログラミングをしたり、楽器を弾いたり、クッキングなどもします。

いろいろなことに挑戦していくなかで、「これはちょっとうまく出来た」と少し自信を持ってできることが見つかります。ディスカバリーでは、そのような「強み」を伸ばしていくことを重視しています。

猪名川に貴重な棚田が残っていることに感動

—— 入社当初は療育ではなく農業の担当だったんですよね?

そうなんです。前職が農産物の流通業でした。化学肥料や農薬を使わない農業をしている農家さんと契約して、採れた野菜を全国に届けるというような仕事を25年位していました。有機農家さんが取り組んでいることを理解するために、技術的なこともいろいろと勉強しました。

——最初に農場を見たとき、どう思いましたか?

まず最初に、猪名川町の環境に驚きました。「棚田が残っている!こんな細かい面積で農業をしている!」私はそれまで農産物の流通業をしていたので「小農」では食べていけないという認識がありました。小さな田畑をひとまとめにして規模を大きくし、儲かる農業を目指すのが基本だからです。棚田は農業機械が入りにくい、回転できない、とても効率が悪い。棚田は日本からどんどん姿を消しています。だから猪名川に貴重な棚田が残っていることに、とても感動したんです。

農場の地力を上げるために「緑肥」を提案

—— 農場で最初に取り組んだことは?

無農薬でやっていく、化学肥料も使わないということであれば、まず「地力を上げる」ことが大切だとこれまでの仕事で学んできました。簡単にいうと土をフカフカにすることです。

それまでディスカバリーの農場では牛糞などの動物性の堆肥を施肥していましたが、私が提案して「緑肥」に変えてもらいました。土が分解される過程で微生物の働きが大きいのですが、その働きを活性化させるためにソルゴーやセスバニアなどの作物を植え、土壌にすき込んでいくようなことをしています。

——養蜂にもチャレンジしたそうですね。

はい。実際にやってみて、ミツバチは人間が世話しないと生きていけない生き物だと思いました。とても手間がかかる上に難しい。でも養蜂をしていると、いろいろなことに敏感になりますね。「花がいつどこで咲いているかな」とか「この野菜の花にミツバチが来ているな」とか。それまで気にも留めなかった四季の中での生き物の動きをすごく意識するようになりました。

猪名川の環境を生かした取り組み

——これまでの知識や経験は、ディスカバリーの療育プログラムにどのように活かされていますか?

まず、猪名川の環境はすごい資源だと思っています。この環境の素晴らしさを子ども達に伝えたいということで大島里山学校という取り組みを行なっています。例えば「食べられる野草を探そう!」という体験プログラムでは農場の周りに生えている野草を摘んできて、天ぷらにしたり、クッキーにして実際に食べます。

この前は11月に植えた秋まきのホウレンソウをみんなで食べました。暖かい時期であれば30日で採れるホウレンソウが冬場は90日もかかるんです。でもその分、すごい肉厚で、とても甘い。これを野菜嫌いの子ども達に「食べてごらん」と言います。「絶対いや」「だまされたと思って一口食べてみて」おそるおそる口に入れた男の子が「あまい!!」と大喜び。そこからは畑からむしり取ってみんな夢中で食べてました笑。

子ども達と自然との関わり方

——今後この大島地区で、どんなことができるといいですか。

今農場でにんにく作りをしていても、鹿による食害が大きな課題になっています。原因はいろいろあるけれど、一番は山に人が入らなくなったことだと思います。

ディスカバリーハウスの裏手には山が広がっていますが、間伐もされていないので薄暗く荒れています。将来はここに遊歩道を作って、山を散策できるようになったら素敵ですね。もちろん他の持ち主がいるところは触れないですけども、山をデザインするということは子ども達の活動をする上でも大きな意味があります。私にとって一つの夢です。

——子ども達と自然との関わり方について、もう少し詳しく聞かせてもらえますか。

自然って決まった形がないじゃないですか。感触もいろいろだし。ねちゃっとしてたり、もわっとしてたり、ちくちくしたり。特性の強い子は特にそういうものを苦手とします。でも、そういう決まった形のないものに触れて、自然の楽しさを知ってほしいですね。

まずは楽しさから入って、そこから自然の奥深さを知っていくことで、目に見える風景の捉え方や距離感も全然変わってくるとおもいます。

合気道を取り入れて息が合うように

——最後に、心が動いたエピソードをひとつ紹介してください。

私は趣味で合気道をやっているんですけど、合気道では「気」を尊ぶという基本的な考え方があります。相手の「気」、つまりエネルギーを感じることを大切にしています。興奮状態になっているときは「気」が頭に上がっている状態。だから、「気」を鎮める、気が下りていくように、落ち着かせるようにします。

スタジオでひきこもりだった中学生を教えているのですが、療育に合気道を取り入れてみたんです。合気道も武道のひとつなので、最初に挨拶をします。お互いに向かい合い、左足から座って、礼をして右足から立ちます。そのときに相手と息をぴったり合わせないといけません。何度も何度もその子と挨拶の練習をしているうちに、息がピタッと合うようになり、とても感動しました。

ひきこもりで何年も会話がなかった子ですよ。最初は緊張して体が硬いのがわかる位でしたが、一緒に合気道の真似事をすることで体がやわらかくなってきたんです。今ではマスク越しでも笑っているのが分かるくらい表情も豊かになりました。

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