ディスカバリークルー紹介
ディスカバリークルー紹介

—— いまディスカバリーで、どのような仕事をしているか、教えてください。

ディスカバリースタジオで児童発達支援管理責任者(児発管)として、利用されるお子さんの状況や課題に基づいた個別支援計画を作成し、それを現場のスタッフと共有し、指導や助言をする役割を担当しています。また保護者の方とも面談し、支援計画が適切な方向に向かっていくように、現場のフィードバックを受けながらアドバイスもさせていただいております。

—— 以前はどのような仕事をされていたのですか?

小学校の教員を6年間、その後公立の特別支援学校で3年間、教員をしておりました。教員生活10年という節目を迎えたときに、思い切って退職いたしました。

—— 安定した公務員である教職を離れて民間で働こうと思ったのは何故ですか?

3つのターニングポイントがありました。

1つ目は「特別支援教育」に深く関わりたいという気持ちが大きくなっていったからです。生きづらさを抱えて困っているのに、周りに助けを求められない子どもがたくさんいます。公立学校では彼らに寄り添うことに限界があります。学校を辞めて、とことん子ども達と向き合いたいと思ったのがまず第1のポイントです。

2つ目は、先生の働き方にずっと疑問を感じていたからです。学校教育の現場ではスクラップ&ビルドではなくビルド&ビルドで次々に新しい取り組みが行われ、教職員は疲弊しています。わたしは教員時代に結婚して子どもにも恵まれましたが、残業に追われて定時に家に帰れる日はほとんどありませんでした。組合に入って、このような「滅私奉公」的な労働環境を中から改善しようとしましたが、残念ながら変えることはできませんでした。

3つ目は、外の世界を見てみたいという理由です。一般的に「先生は世間を知らない」と言われることが多いです。実際それは当たっている部分も多くて、ならば自分が外に出て、外の世界を見てみようと思いました。

ディスカバリークルー紹介嵩さん

—— 退職して、すぐにディスカバリーに入社されたのですか?

いえ、ディスカバリーに入る前に半年だけ別の放課後等デイサービスの事業所で働いていました。そこでは療育的な関わりよりも預かりに特化している傾向があり、通勤も二時間かかるということもあって、よりよい環境を求めてディスカバリーに移りました。

—— ディスカバリーで嵩さんが取り組んでいる内容を具体的に教えてください

中高生向けのSST(ソーシャルスキルトレーニング)に力を入れています。SSTは社会で人と人が関わりながら生きていくために必要なスキルを身につける訓練のことを言います。 中学生〜高校生という難しい年頃のお子さん達に、ソーシャルスキルを身につけてもらうために、以下のようなことに重きをおいています。

(1)信頼関係
多感な中高生と接するときに最も重要なことは「信頼関係」です。最初は警戒心を持っている彼らから、良い反応を引き出すためには、療育プログラムの内容がどうこうよりも、まず信頼関係を築くこと、それが全てのスタートだと思っています。

(2)SNSの活用
最近の中高生はSNSを日常的なツールとして使っています。ただ適切なリテラシー教育を受けていないために、相手を傷つけたり自分がトラブルに巻き込まれたりすることがあります。そのようなことを未然に防ぐためにLINEのトーク場面のやりとりなどを見せて正しいSNSの使い方を説明しています。

(3)eスポーツ
ディスカバリーでは療育の一環として「eスポーツ」を積極的に取り入れています。「eスポーツ」とは、electronic sportsの略でいわゆるビデオゲームやオンラインゲームのことなのですが、明確なルールの中で仲間と協力することが必要になったり、スポーツとしての競技性が高まったものを言います。

ディスカバリークルー紹介嵩さん

—— 「eスポーツ」についてもう少し詳しく教えてください。

はい。「eスポーツ」では2つのポイントを意識しています。まず第一に「コミュニケーションのツール」としての側面です。ゲームに熱くなってしまうとイライラして暴言を吐いたり、ゲームを投げつけてしまうことがあります。そういうときに間に入って、どうしたらいいのかを話し合います。ボイスチャットなどで仲間と交信しながら進めるゲームもあるのですが、チームとしてお互いに協力できるようなコミュニケーションをゲームを通じて学んでいきます。また、手先を使うことで脳に刺激を与え、細かく動くものを追うため注意力が向上するなど、実際に様々な能力の向上が認められています。

—— 「eスポーツ」には他にどのようなメリット・デメリットがありますか。

実際のサッカーは苦手だけど、ゲームのサッカーは得意という児童が、ゲームを通して自信を持てるようになったり、特性を活かせる様々な可能性があります。ただしゲーム依存症にならないように、マイルールを決めて自己管理ができるように導いていきます。

ディスカバリークルー紹介嵩さん

—— 嵩さんが療育において大切にしていることは何ですか?

「ひっぱるよりも背中を押す」…私がいつも大切にしていることです。

私が小学校の教員をしていたとき、受け持つクラスの中に発達に遅れのある児童がおり、クラスメートに暴言を吐いたり他害行為をすることがありました。問題行動があったとき、怒って言い聞かせるということは絶対にしないと心に決めていました。「君を信じているから」と勇気づけることを常に意識していました。

そのように接していても私の担任期間中には、なかなか変わることができませんでした。そのまま教職を離れてしまいましたが、数年後、彼のお母さんから電話があり、卒業文集に「3年生のときの担任の先生が、信じてくれたから自分は変われた」と書いていたエピソードを伝えていただきました。それを聞いて自分のやっていたことは間違いなかったのだと安心しました。

—— 仕事の指針となるような思想哲学があれば教えてください。

アルフレッド・アドラーという心理学者が打ち立てた「アドラー心理学」を参考にすることがあります。アドラーは「対等」というキーワードを使いますが、自分と他人の間の関係において、お互いの個性や価値観を尊重する「対等」な関係性を目指すべきだと言っています。学校における先生と生徒の関係も「上下」であるよりは「横」の関係であることが望ましいと私は考えていて、アドラーの考え方はとても参考になります。

ディスカバリークルー紹介嵩さん

—— 最後に、ディスカバリーのクルーとして今後目指していくことは何かありますか?

子ども達にとって、より良い居場所づくりのために、彼らの通う小・中学校との連携・情報共有は不可欠だと思っています。

平成29年12月に文部科学省と厚生労働省の両省による家庭と教育と福祉の連携「トライアングル」プロジェクトが発足しました。学校の教職員は放課後等デイサービスについてもっと理解を深めていく必要があり、放課後等デイサービス事業所は学校から子どもの状態などの情報提供を得て、それを療育に活かすことが求められています。

小・中学校と放課後等デイサービス事業所がお互いに訪問するなどして連携しながら支援体制を構築していきたいです。学校の教員をしていた自分の経験も活かすことができるのではと考えています。

ディスカバリークルー紹介嵩さん

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