ディスカバリークルー紹介
ディスカバリークルー紹介

—— ディスカバリーでの役割を教えてください。

今は主に発達障害を持つ子ども達への療育の仕事をさせていただいています。それ以外には学生時代に培った映像の技術を活かして、ディスカバリーのプロモーション動画の制作など広報活動のお手伝いをさせていただいています。

—— 未経験で採用されたということですが、それまでの経歴について教えてください。

私はもともと関西に全く縁がなく、山梨県で生まれ育ちました。高校は韮崎高校というサッカー元日本代表の中田英寿さんがいた高校です。大学は高崎にある健康福祉大学というところで、作業療法士になるための勉強をしました。

—— 学生時代の印象に残っているエピソードは何かありますか?

はい。高校生の頃、放送部に所属していたのですが、3年のときに私が脚本・編集・主演をしたショートドラマが「NHK杯全国高校放送コンテスト」で7位になったことが一番の思い出です。全国から五百以上の応募があり、地区大会、県大会、全国大会と審査を勝ち抜いて決勝のNHKホールまで行きました。

—— それはすごいですね。そのまま映像の世界ではなく、福祉の道を志したのは何故ですか?

コンテストで7位に選ばれた作品の前に、制作途中で完成しなかったドキュメンタリーがあったんです。それは、筋ジストロフィーの障害を抱えながら、車椅子のスキー大会で優勝した同級生を数ヶ月かけて撮影したものでした。

6割くらい撮影が進んだところで、彼から 「谷治君は僕のことを友人として撮影しているの?それとも作品の題材として撮影しているの?」…と問われました。 それを聞いてすごくショックを受け、自分なりに考えた結果、撮影中止にすることにしました。友達のつもりで接しているつもりでしたが、あらためて振り返ってみると彼を題材として見ていた自分を否定できなかったので、ドキュメンタリーとして、表に出さない決断をしました。

—— そうなんですね。その決断がどのように福祉の道へとつながっていったのでしょう。

同級生は、文章を書くのがとても得意でした。それでドキュメンタリーの作品を中止にした後に、一緒に作品を作らないかと誘ったんです。彼に脚本を書いてもらって、出演もしてもらって、それを僕が撮影したり、編集をしました。 彼との交流を通じて、「作業療法士」という仕事があることを知り、取得するのは難しそうな国家資格だけど、チャレンジしてみたい!…と思ったのが福祉の道を志すきっかけです。

—— なるほど、それで健康福祉大学に進学したのですね。念願かなって資格はとれたのですか?

それが…実は大学は中退してしまったんです。私はディスレクシアという発達性の「読み書き障害」の疑いがあり、文字の多いテキストや資料を前にすると文字が追えなかったり、ひどいときは身体が震え出したりすることがありました。悔しい思いはありましたが、結果的に作業療法士を断念しました。そして自分のことを誰も知らない場所で暮らそうと思い、関西にやってきたんです。

—— 関西に引っ越してきて、ディスカバリーの求人を見つけて応募されたんですか。

そうです。大学も中退して、何の資格もない、何ができるか分からない、そんな自信のない自分でしたが、ディスカバリーの求人やHPを見て、ここで働きたいと強く思いました。数日後に社長と面談の機会を与えてもらい、「君が短所だと思っていることは、すべて長所になるよ。ここには君を必要としている子ども達がたくさんいる」と言っていただきました。 —— 未経験で入社して、戸惑ったことや苦労したことはありますか。逆に、うまくいったこと、成功体験もあれば教えてください。 大学で学んでいた経験はありましたが、現場に出てみたら分からないことばかりでした。座学が苦手なので現場で体を動かしながら、日々勉強させていただいています。子ども達にとって、良い意味での「友達」になりたいと思っています。自分が楽しいことを子ども達と一緒にすることを心がけたら、子ども達から好かれるようになりました。私のことを好きだと言ってくれた不登校の子が卒業証書を受け取れるまでに回復したのは大きな自信につながりました。

—— これからディスカバリーで取り組みたいことはなんですか。

文字を読むのが苦手な代わりに映像やパソコンを得意としています。これまでもパワーポイントを使った「なぞなぞ」やゲームなどを制作して療育のなかに取り入れてきました。今後は子ども達と一緒に映像制作をしてみたいと思っています。

—— 具体的なアイデアがあったら教えてください。

ボイスパーカッションが得意な不登校のお子さんを個別療育で担当しています。一度彼のボイスパーカッションを録音して車の中で彼に聞かせたことがありました。「こんなにカッコいいんだよ。いつも車の中で聴いているよ」と言うと、とても嬉しそうでした。 映像に映った自分の姿を客観的に見ることで、はじめて見えてくる「自分」がいます。子ども達が、自分を主役にする、あるいは友達を主役にして自ら脚本を書く。そんな療育プログラムをいつか実現させたいです。映像制作は誰かに指示されてやるものではありません。作品づくりを通して、子ども達が将来生きるのに必要な「主体性」も生まれてくるのではないかと思っています。

クルー谷治が制作したプロモーションムービーはこちら→

※ぜひsound ONでお楽しみください!

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